技術部会ブログ


テーマ検討の進め方


季節の進むのは早いもので、街にはクリスマスの飾りつけが賑やかな季節が巡ってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

技術部会のワーキング・グループ(WG)は6月の2019年度 技術部会キックオフの後、今年から参加した企業のメンバも交え、各テーマの議論が徐々に深まってきました。8月ブログの記事では検討中のテーマをご紹介しましたが、複数の企業のメンバーが集まるWGでは、どのようにテーマ検討が進むのでしょうか?

まず、提案されたテーマごとに関心の企業を募って、できるだけ2社以上で1チームとして、以後はチームで検討します。例えば、昨年の性能トラブル性能トラブル調査のチームは3社が参加しました。

検討の最初のステップでは、そのテーマを提案したメンバから、解決しようとしている問題や PostgreSQL の機能の疑問点などがチーム内で説明されます。昨年の例では、過去にどのような性能トラブルがあったか、性能トラブルをどのように減らしたら良いかなどが説明されました。

チームのメンバは質問して不明瞭な点を明らかにしたり、自社でのトラブル事例を示して検討に使える情報を増やします。また、提案したメンバからもテーマの進め方について意見を求めます。

例えば、インデックスに関する性能トラブルには、PostgreSQL 特有の原因で生じるもの以外に、他のDBMSでも生じる一般的なトラブルがあって、一般的なトラブルをどのように検討テーマ全体の中に位置づけるのが良いかが話題になりました。一般的なトラブルについてはよく知られているので、改めて検討する必要はないという考えもありましたが、現場からの報告も多いことや性能トラブル全般をできるだけカバーしたいという考えから、他のトラブルと区別せずに扱うこととしました。

この時の検討テーマ「性能トラブル」は、原因やトラブルの事象にさまざまなものがあるため、とても広がりのあるテーマでしたが、トラブルの頻度や影響の大きさを基準にして、詳しく検討する範囲やアプローチを決めていきました。

こうして議論することで、日ごろは別々の企業で働いているメンバの間で性能トラブルに対する考え方を共有することが出来て、スムーズに検討を進められたように思います。逆に議論の中で参加企業ごとのさまざまな考え方に触れられるのも、PGECons に参加するもう一つメリットと言えるかもしれません。

今回は、PGECons のワーキンググループの検討の様子をご紹介しました。PostgreSQL 12がリリースされて、実際にマシンを使う検証作業も準備が進んでいます。興味深い結果・役立つ報告に向けてこれからが本番といったところ。引き続き、PGEConsの活動にご注目ください。

(つを)

検証活動がそろそろ始まりそうです


みなさんこんにちは。今月の技術会ブログは、WG1のM野がお送りします。

今年も残す所あと2ヶ月。年末の気配がそろりそろりと漂い始めてきました。各WGも検討したいテーマを決定して、そろりそろりと検証活動を始めています。
私が担当している検証活動は定点観測です。定点観測ではPostgreSQLの新旧バージョンでベンチマーク試験を行い、スケールアップ性能が認められるか否かを検討します。
例年の検証作業ではマシンスペックが結果に影響を及ぼさないように、それなりのハードウェアを利用していましたが、今回はクラウド環境で検証する予定です。

現時点ではまだ、定点観測に着手しておらず、その前段として検証環境を構築する Ansible Playbook を作成していました。なぜ Ansible Playbook を作成したかと言いますと、定点観測は作業手順が毎年ほぼ同じ事の繰り返しだからです。
いやもう、これは構成管理ツールの出番ですよね。サクっとコード化した次第です。この定点観測 Ansible Playbook があれば、次年度の試験も簡単にできます。あるいは、レポートを読んでいただいた読者が、サーバさえあれば簡単に追試をできるようになります。
手元の環境では調子よく構築できています。実際の定点観測作業でもバシっと環境構築できることでしょう。

ところで、WGではSlackを使ったコミュニケーションを開始していて、他のチャンネルでは「機械学習」とか「パラレルクエリ」とか「プラガブルストレージ」等のエモいキーワードが書き込まれています。今年度の成果物も、より良いものを書き上げられるようにWGは活発に活動していますので、みなさんご期待ください。

M野(Ansible おじさん)

2019年度の活動テーマを議論中!


このブログは、実は月一で更新しようという目標があります。
また、技術部会で実際に検証活動しているWG1、WG2、WG3で持ち回りで書いてみない?
という趣旨もありまして、今回はWG3よりお届けです。
※遅れてもうしわけない

さて、この時期の話題といえば、新たな検証テーマの検討です。
WG2は移行を主眼とした検証活動、
WG1は新機能や性能検証を主眼としていてPostgreSQL 12で何をやろうかな、
とキャッキャウフフしてます。

WG3は前者2つに比べると比較的テーマ設定の自由度が高く、
(WG3としてのサブ名称は『課題検討WG』となりますが)
参加メンバが興味を持ったことを何でも挙げている状況です。

『気になる事』にはいわゆる新機能も含まれることが多いため、
今年はWG1のメンバも交えながら議論しており、
以下の様なキーワードが挙がってきています。

Pluugable Storage…Zheap!!
機械学習の活用…パラメータチューニングに適用できないか?
特殊なデータ型の活用ノウハウ…PostGISや時系列データ(TimeScaleDB)
パラレルクエリ…Windowsで検証しちゃう?JITコンパイルと組み合わせる?
パーティション…どんどんよくなるパーティションの性能検証とか
パブリッククラウド…AWS、Azure、GCP。。。
統計情報の拡張…12でまた拡張されるらしい
性能トラブル対策…好評なので更に拡充しちゃうか
ビッグデータ…PostgreSQLの機能で出来ることって何だろう(TimeScaleDB、JSONの活用)
MySQLとの比較…どういう使い分けかあるのだろう?(画像は全く関係ありません)

この中でどれにどう取り組もうか???
というのはまさに議論の真っ最中ですが、
今年のPGEConsはこんな話題に興味を持っています。

ご意見コメントがありましたら是非、、、といいたいところですが
今のところお気軽なコンタクト手段を用意できていないので、
これも何かないかなーと模索しています。
その時はぜひ絡んでやってください。

(ゆ)