技術部会ブログ


PGConf.ASIA 2018 で発表しました


毎回 PGECons の技術部会の活動を報告している当ブログですが今回は趣向を変えて、さる12月10日から12日に東京・秋葉原で開催された PGConf.ASIA 2018 での発表についてご紹介します。

2016年に始まった PostgreSQL の国際カンファレンスである PGConf.ASIAは、2018年は12月10日~12日に開催されました。PGECons はこのカンファレンスに特別協賛するとともに、技術部会のワーキンググループから「WindowsでもPostgreSQLが使いたい」と題してNTTテクノクロスの山本さんが発表しました。

2005年にリリースされたバージョン8.0からPostgreSQLはWindowsに対応しています。世間の評判ではLinux版に比べてWindows版は遅い、拡張機能が使えないとしばしば言われますが、実際にこの2つの版を比較した結果はあまり公開されていませんでした。山本さんはPGEConsでの検証に基づいて、高負荷時の更新性能はWindows版の方が低い可能性があるものの参照性能については同等、拡張機能については利用頻度の高いcontribモジュールは全て利用可能であり、Windows版PostgreSQLは安心して利用できると報告しました。

来場者へのアンケートにはほとんどの方が参考になったと回答されており、Windows上でのPostgreSQLの利用を検討している方にとっては役に立つ内容だったようです。発表資料はダウンロードできますのでご関心のある方はご覧になってはいかがでしょうか。

次回のブログは課題検討ワーキンググループからお届けする予定です。お楽しみに。

山本さんの発表風景

参考資料

2018年度 WG2活動テーマについて


10月18日にPostgreSQLの新メジャーバージョンである PostgreSQL 11がリリースされました。
JITコンパイラの追加、パーティショニングやパラレルクエリの改善などの強化が行われていますが、DBMSの移行観点ではプロシージャ内でのトランザクション制御がサポートされた点が大きいのではないでしょうか。
WG2(移行WG)の活動でもいずれ触れていきたいと思います。

さて、2018年度のWG2の活動ですが、DBMS移行の全体的な概要がつかめるようなガイドブックの作成をテーマに進めています。
これまでWG2の活動では、移行の各工程ごとにフォーカスして多くの成果物を公開してきました。
しかし、年々成果物も増え、移行の検討段階で目を通すには、かなり膨大なボリュームになってきました。
そこで、まずは移行のざっくりとした全体観を知ることができるように、これまであまり触れられていない運用面の内容も含め、移行のガイドブックとしてまとめたいと考えています。

PostgreSQLへの移行を検討される方の一助になるような内容を目指していきたいと思います。

(くろ)

第2回 PGECons勉強会 開催!


みなさん、こんにちは。

去る10月18日に「第2回PGECons勉強会 ~ワタシ ポスグレ ノ セイノウ チョットワカル~」を開催しました。
当日は、30名弱の方に参加いただきました。
ご参加いただきました方には、改めて御礼を申し上げます。
※当日の開催要領および資料は お知らせに記載

第2回の内容は、『ワタシ ポスグレ ノ セイノウ チョットワカル』のテーマの通り、
PostgreSQLの性能に関する内容を2つ発表しました。

1つ目は、測定とは切っても切り離せない、
PostgreSQL標準のベンチマークツールであるpgbenchについてで、
pgbenchの概要や使い方、注意点をデモを交えて説明、
最後に2017年度の活動の中で発覚した性能低下の
原因を究明した際に用いたツールや手法を説明しました。

挙手にてアンケート pgbenchのデモ中

2つ目は、PostgreSQL 9.6から導入されたパラレルクエリについてで、
パラレルクエリを使用するために必要なリソースやパラメータの説明や注意点、
注意点に意識を向けないとどうなるかをデモを用いて説明しました。
最後に、こちらも2017年度の活動の中で発覚した現象についての考察、
パラレルクエリを使用する際を本番環境で使用する場合には、
事前に性能について確認することが必須として締めくくりました。

パラレルクエリの説明開始 パラレルクエリ使用時の実行計画解説

2つとも、内容のボリュームが大きかったため、
質疑応答の時間があまりとれなかったのが反省点ですが、
第1回勉強会から実施しているハッシュタグ(#pgecons)を使用した質問や議論も
盛り上がっており、非常に濃い時間となったのではないでしょうか。
※ 有志の方にまとめ記事を作成いただきました。

【発表者近影】
pgbench発表者近影 パラレルクエリの発表者近影

今後も、このような勉強会の開催を予定しておりますので、
次回の勉強会にも、ぜひ参加をご検討ください。

また、こちらも有意義で濃い情報を発信できるよう、
引き続き、調査・検討を行ってまいります。

(TK)